☆ 8月第3週 ☆    2015/08/13 〜 08/19


 敗戦の日 に思うこと


今年は、敗戦70周年の特別な年。 安倍内閣提出の「安保関連法案」の審議で
今までとはいささか違った熱気が、日本全国を覆っています。
小学4年で敗戦を迎えた 『私』 の目線からの8月15日を、今年も記します。



   ● 8月15日は、終戦の日ではなく 《 敗戦の日 》

    誰が言い始めたのか知りませんが、終戦という言葉は、欺瞞に満ちた言葉です。
    日本語であの出来事を表現するなら、あくまでも連合国に対して降伏し、日本は敗戦国となった
    というのが、正しい事実認識でしょう。

    昭和天皇の 「玉音放送」 の原盤が公開されるなど、この夏は、あの日を思い起こす特別な年と
    なりました。 天皇の 「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」 という国民に向けたメッセージは
    当時をいささかでも知る私には、更なる <辛苦に満ちた日々> を受容すべし ・・・ との つらい
    明日を予告するフレーズ
だったのです。

    昨年の 8月第3週 にも書いたように、戦争末期、日本人は当時の指導者たちに 「日本は神の国、    
    負けるはずがない。 最後の最後まで戦い抜いて勝利する」 と言われ続け、多くの戦争犠牲者を
    出しながらも、沖縄での激戦 ・ 大都市を中心とした無差別な爆弾投下 ・ 果ては原子爆弾による
    広島&長崎のあの惨事まで、ずっと耐え抜いてきたのでした。

    天皇の 『玉音放送』 による降伏告知は、それまでの多くの苦難の終結ではなく、これからの更なる
    艱難辛苦の道を国民に覚悟させる文字通り 『耐えがたく・忍びがたい』 戦後の歩みへの命令で
    あったのです。 もちろんそれは天皇ご自身の苦難をも意味するとのお覚悟であったことでしょう。

    つまり、この日は 「戦争が終わってよかった。 やれやれ。」 の気分ではなく、そこから始まる
    もっと大変な日々へのスタートだというのが、当時をいささかでも体験した私の実感なのです。

          実際、戦後の食料を含めた生活物資の不足・インフレによる物価の高騰など、私たちは戦争に負け
          荒れ果てた『貧しい国土』での厳しい困窮生活を、いやというほど味わうことになったのでした。
          戦争そのものによる ≪死≫ こそ無くなったものの、食糧難からの栄養失調 ・ 外地からの命からがらの
          帰国 ・シベリア抑留での過酷な捕虜生活などなど ・・・ 困難を極めた日々はまだまだ続くのでした。

          その中で、私たちをミス・リードしてきた戦時下の指導者に対する不信の念!!
          それは天皇への感情とはまた別の、理不尽ずくめの戦争推進施策への人々の素朴な反発の感情でした。
          東京裁判で死刑とされた東条被告たちへの国民感情は、国際法上の妥当性云々以前の、「当然の報い」と
          いう思いであったのです。


   ● 日米安保条約をどう受け止めるのか?

    日本国憲法の制定に関する私の認識は、すでに昨年の 8月第3週 に記してあります。
    私は、自分の周囲の大人たちの当時の行動から見ても、あの憲法が国民の総意に基づく、
    自主制定憲法と考えることは到底できません。 憲法はアメリカ政府&占領軍によって仕掛け
    られたものであり、日本政府や国会は単なるセレモニーとしてその制定手続きをとったに過ぎ
    ないと考えています。 これは当時を体験した私の信念ともいうべきものです。

    案の定、朝鮮戦争などの経緯を経て、日本はアメリカとの間に 「日米安保条約」 を締結するに
    至ります。 アメリカ政府の意向を受けて、日本は米軍を引続き日本国内に駐留させ、あまつさえ
    「思いやり予算」 と揶揄される財政負担を喜んで差し出す始末でした。
    これでは、アメリカ軍による日本占領は実質的に今日も継続中 だとしか言いようがありません。
    私の目には、今も米軍による日本占領は(名目は何であれ)続いているのです。

           この点に関して、「安保ただ乗り論」は、ある意味では的を得た見解です。

    日米安保をどうとらえるかに関しては、6月第4週 で紹介した ダグラス・ラミス氏の見解などを
    ご覧いただきたいと思います。

    一言でいえば、戦争放棄・平和憲法と偉そうなことを言ってはいるが、所詮は、アメリカ軍の庇護の
    もとに、ぬくぬくと安住している日本人の 『夢物語』 であり、世界の人々は、そのことをちゃ〜んと
    見抜いている。 それが現実だということです。

    今、日本人が真剣に考えるべきことは、『米軍基地の実態』というテーマ でしょう。
    とりわけ沖縄の実情です。 面積からいえば、日本の国土の 1% にも満たない沖縄に、基地(面積)
    の 70%を超す驚くべき負担を押しつけ(かつ、知らんぷりし)ているという事実。
    戦後の沖縄が特別な事情の元にあったとはいえ、今なお、このような状況であり続けていることを
    「自分とは関わりのないこと」 と認識している数多くの日本人は、本気で、沖縄の人々を気遣って
    いるとは到底いえない!!  ・・・ のでは?

    多くの日本人は、沖縄の基地の問題などには無関心なままに、やれ「平和憲法」だ、「第9条」だと
    絵空事をほざいている ・・・ それが実情なのではありませんか?

           最近のマスコミは、沖縄県知事の強い姿勢にやっとこれまでとは違うスタンスからの
           報道をするようになりましたが、笑止千万なことです!
           己の不明を棚に上げ、あたかもずっとそう言い続けてきたかのような厚顔無恥ぶり。
           日本のマスコミが、いかにいい加減かを露呈したケースだと思います。


    本気で憲法を語るのであれば、安保条約と沖縄の基地負担の問題を、ひとり一人がどう評価して
    いるのか? と胸に手をあて、思いめぐらすことこそが重要です。
    それがない限り、単なる「感傷的センチメンタルな平和憲法」観だと言わざるを得ないでしょう。

    忍耐強い沖縄の人々が、今、普天間基地の辺野古移転を巡って真剣に「日本政府」と対峙して
    いる姿を、もし他人事だと感じるようであれば、その人は 「平和憲法&第9条」 を観念的にしか
    捉えていないということ!
    この際、それに気づくことが、 『本物の憲法観』 の形成に連なる喫緊の課題だということです。
    国会議員ですら、今日の法案審議において、そういう根本的な疑問に向き合っているとは到底
    思えない ・・・ これが日本の情けない実情なのです。

    すべての日本人が、それに気づかない限り、しょせんは「誰かさんによって与えられた・押しつけ
    られた 日本国憲法 でしかない」 という現状からは、一歩も踏み出せないのだと確信しますが、
    いかがでしょうか?


           では、お前さんはどう考える? という質問がありそうです。
           いくつかの選択肢を考えてみます。

             ・今の憲法をそのまま忠実に守りぬく。 在日米軍はもとより、自衛隊もいらない。
              仮に外国の軍隊が攻めてきても、抗うことなく相手と話し合う。 結果的に、最悪の
              事態に至ろうとも、誇りをもって亡国への道を歩み、日本国民の矜持を世界に示す。



ネット上で見かけた中国の東アジア統治計画?

             ・現状のまま、日米安保に身を委ねる。 仮に米国が条約を破棄する場合は、他の国に
              泣きつき、大金を払ってでも日本防衛をお願いする。

             ・憲法を改正し、防衛軍を持つ。 (徴兵制か、志願制かはその時の事情による)
              必要に応じて、周辺国との相互不可侵条約や同盟の締結も視野に入れる。

           個人的には、最後のもの、すなわち普通の国になることです。 沖縄の現状などに目を瞑り、
           善人面をするという『能天気』な状況をそろそろ卒業する時期。 これは戦争を仕掛ける国に
           逆戻りすることとは違います。 先の戦争のを自覚したうえでの『侵略しない・侵略されない』
           日本を創り出すとの決意 ・・・ というべき私たちの覚醒なのです。

           しかし、これを決めるのは 80歳の爺・婆ではなく、むしろ若い人々です。
           『大阪都構想』 の市民投票の結果のように、老人の我儘が、若い人々の未来をねじ曲げてしまう
           という愚かな結果だけは、何としても避けなければならないことでしょう。







今週も甲子園      早稲田実業の二回戦は、対広島新庄高校。
  両チーム総力戦の大雑把な試合でした。

  早実が勝利しましたが、トータルには
  優勝には程遠そうな?戦力の印象。

  三回戦:対東海大甲府。 清宮君のホームランもあり勝利。

  四回戦:対九州国際大付属高校。 清宮君のホームラン2号
  (1年生としては、桑田選手以来の記録)などで、勝利。
  ベスト4進出。 エンジンがかかってきた感じ。


  準決勝戦では、仙台育英高校に完封負け。 来年また来いよ!




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