☆ 6月第1週 ☆    2015/05/28 〜 06/03


もう一度、日本国憲法を考える : その2




   《 象徴天皇制 》

    毎日新聞の特集では、次にこのテーマが扱われています。


   ・ 2月13日、松本と吉田茂外相が提出した憲法改正要綱に対し、GHQのホイットニー民政
     局長は「日本案は全然受諾できない」と宣告し、タイプで打った21枚の用紙を差し出した。
     マッカーサーの指示で民政局が極秘に作ったGHQ案には、象徴天皇制という日本側の    
     思いもよらない条文が盛り込まれていた。

   ・ 前年10月に発足した松本委員会は、天皇が統治権を総攬するという大日本帝国憲法の
     基本原則を変えないことを前提に議論を進めていた。

     ホイットニーは釘を刺した。 「最高司令官は、天皇を戦犯として取り調べるべきだという
     他国からの圧力から天皇を守ろうと決意している。 この諸規定が受け入れられるなら、
     天皇は安泰となる」

     象徴天皇制と戦争放棄はGHQ案の核心部分だった。

   ・ 米国は太平洋戦争中の42年から、天皇制を利用して日本を間接統治する道を探って
     いた。 しかし当時、米ギャラップ社の世論調査では、米国民の約6割が昭和天皇の
     起訴を支持していた。 オーストラリアが天皇を戦犯リストに入れるよう主張するなど、
     国際情勢がGHQに必ずしも有利ではない中、マッカーサーには、ソ連や中国なども
     メンバーの極東委員会が介入する前に憲法改正を終えたいという思惑があった。

     天皇制存続を連合国に認めさせるには、戦争放棄とセットの改正が必要だった。
     こうした思いをマッカーサーは2月21日、幣原首相との会談で率直に伝えている。

   ・ 政府は翌22日の閣議でGHQ案の受け入れ方針を定め、幣原らが昭和天皇に報告した。
     天皇は「最も徹底的な改革を、たとえ天皇自身から政治的機能のすべてを剥奪するほど
     のものであっても全面的に支持する」と語ったという。

     これを受けて、政府は26日の閣議でGHQ案に沿って憲法改正草案を作ることを決めた。
     GHQとの3月4、5両日の徹夜協議を経て、6日に改正草案要綱が発表された。

   ・ 2月26日、極東委員会の第1回総会がワシントンで始まった。 ただ、昭和天皇の訴追
     論議は盛り上がらず、4月3日、天皇の不起訴方針が事実上決まった。 結果として
     マッカーサーの描いた戦略は功を奏した。



    ここで紹介されているような事情を、当時の日本国民のどれだけの人が承知していたでしょうか?      
    憲法改正は、国民的議論を積み重ねて実現したものだという理解が、いかに現実離れしたものかが
    ここから明らかになってくるのです。

    アメリカの日本統治方針の中で、天皇制は利用され、象徴天皇という形で憲法に組み込まれたの
    でした。 天皇ご自身の意向でもなく、日本側の松本委員会からの発案でもなく、ひとえにアメリカの
    占領統治政策の『道具』として、日本に押し付けられたものであったことが窺い知れる訳です。

    そして、マッカーサーが描いた構想は、とっくにその役割を終えているというべきでしょう。

    私の個人的な意見としては、すでにブログの中で書いたように、天皇ご一家を憲法で束縛するのは
    終わらせて欲しいということに尽きます。

    天皇家の方々が、日本人の敬愛の的として、憲法によってではなく、国民の暗黙の了解のうちに
    幾久しく繁栄されることを、こころから願ってやみません。






 断捨離 : 懐かしい本 のケース D




   ● 源氏物語    桐壷抄・帚木抄

     定時制高校の2年生の時期を、私は別府から京都市立の高校に転校して過ごしました。
     そこで古文を担当しておられたのが、京大大学院の方でした。 その際、教材として使われたのが、     
     この一冊です。 この先生の「朗読」が何とも魅力的で、私の「声への関心」を大いに掻き立てて
     くれたのでした。

     きちんとした文章を、声を出してはっきりと・気持ちを込めて読むことの魅力を、ここで知ったのです。
     今でも、このテキストの何個所かは諳んじています。


     朗読の魅力は、その後もう一度、塩田良平先生の講座でも体験することになるのでした。
     こちらは 1958/59 の東京・調布の会社の研修センターでの一般教養科目の授業でした。
     塩田先生は、かつて、ラジオの「大学受験講座」の講師として、よく知られていた方ですが、
     テキストの朗読も実に魅力のある発声・表情で、古典の文章を美しく聞かせて下さっていました。

     当時の学校では「言葉の響きの美しさ」を大事にしていたと思います。
     若い時期に、そういう『学び』を体験できたのは実に幸いなことでした。


         余談になりますが、朗読の魅力を堪能させてくれた NHK ラジオの番組がありました。
         岸田今日子さんによる ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』 です。
         この長編(の一部だったかもしれませんが)を、岸田さんのあの声で聞かせて
         くれたこの番組は、若い時期の記憶として実に懐かしく・文字通りの「青春」の
         ひとコマだったと思い起こすのでした。

         この項、老人の繰り言 とご容赦下さい。
     




今週のおめでとう!     5/28 阪神タイガースが通算 5,000勝を達成。    
  球団創設は1935年、私と同い歳で今年80歳!
  2007年のジャイアンツに次ぐ記録の由。

  この日も、モタモタした試合運びでしたが、
  それもタイガースらしいのかも。

  めでたさも中くらいなり ・・・ ってとこかなぁ。
  それでもとりあえず、おめでとうさん!!

 



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