☆ 5月第4週 ☆    2015/05/21 〜 05/27


もう一度、日本国憲法を考える : その1


私は、このブログの中で、憲法について何度か意見を書いてきました。
今年の「憲法記念日」に当たり、毎日新聞では、4日間の特集記事を掲載していました。
それを素材に、もう一度、日本国憲法について、思うところを整理しておきたいと思います。




   《 戦争放棄条項 》

    憲法問題と言えば、まずは第9条すなわち戦争放棄条項が注目されます。
    毎日新聞の特集では、次のような制定直前の模様が紹介されています。


   ・ 敗戦後間もない1945年10月27日、東京・永田町にある首相官邸で、憲法問題調査委員会が    
     始動した。 委員長は松本烝治で、通称「松本委員会」。

     ポツダム宣言の受諾による日本軍の武装解除の状態を将来にわたって継続するのか、
     GHQによる占領の終了後に再軍備できる余地を残すのか。 それが大きな論点だった。

     11人が憲法改正私案を提出し、そのうち6人が軍規定の削除を主張した。

     翌年2月2日の松本委員会総会は熱を帯びた。 結論は出ず、同月8日にGHQに提出した
     憲法改正要綱には、軍規定が残った。

   ・ このときすでにGHQは並行して憲法改正案の作成を進めていた。

     マッカーサーは2月3日、
        @ 天皇は国の元首  A 自衛権の発動も含む戦争の放棄  B 封建制度の廃止
     という3原則に基づき、草案を作るよう指示した。

   ・ GHQが2月13日に松本と吉田茂外相に示した草案には戦争放棄条項が盛り込まれており、
     ホイットニー民政局長はその場で、日本政府の憲法改正要綱は受け入れられないと明言。

   ・ 幣原首相はマッカーサーと会談して妥協の余地を探ったが、GHQ側の意思は固く、
     受け入れやむなしとの判断に傾いた。

   ・ 政府は3月6日、GHQ案を下敷きにした「憲法改正草案要綱」を発表した。 幣原首相は
     同月20日、枢密院に説明した際、「第9(条)はどこの憲法にも類例はないと思う。
     戦争放棄は正義に基づく正しい道で、日本はこの大旗を掲げて国際社会の原野をとぼとぼ
     歩いてゆく」 と述べている。

   ・ 「帝国憲法改正案」は6月20日、帝国議会に提出された。
     7月27日の小委員会では社会党の鈴木義男が「ただ 『戦争をしない』 『軍備を皆捨てる』
     というのは、泣き言のような消極的な印象を与える」 と主張。

     これを受けて芦田(均委員長)は9条の冒頭に「日本国民は、正義と秩序を基調とする
     国際平和を誠実に希求し」 と追加する修正案をまとめた。



    現在の多くの日本人は、憲法9条の戦争放棄は、敗戦を反省した当時の人々が 《国民総ざんげ》 を      
    した上で、厳粛に宣言したものであり、世界に誇る「平和憲法」であると信じ込んでいます。

    しかし、当時10歳だった私の体験からいえば、戦後の食べるものにも事欠いていた日本人が、その
    ような世界に誇る崇高な議論をしていたとは、とうてい思えないのです。 身近な大人たちの日々を
    思い起こしてみると、町内会では「物々交換」や「頼母子講」といった互助活動は行っていたものの、
    誇るべき第9条を真剣に議論していたなどという記憶は全くありません。

    幣原首相の「原野をとぼとぼ歩いてゆく」 という言葉には、当時の「こう生きるしか道はない」という
    諦め・屈辱の感情が満ち溢れていたのだと私には思えてならないのです。

    社会党の鈴木氏が、あのような主張をしたのも無理からぬことで、それが当時の人々の率直な気持ち
    だったろうと考えるのが素直な見方でしょう。

    では、なぜ日本人は「世界に誇るべき平和憲法」 という思考回路を持つに至ったのでしょうか?

    当時、小学校高学年であった私は、教室で「平和憲法」 を教わりました。 当時の先生たちが確信を
    もってそのように教えていたのか、それとも「この憲法はGHQに押し付けられたもの」 と知りつつも
    そういう事情を話すわけにはいかなかった ・・・ からなのか?
    あるいは、先生たち自身も憲法制定の経緯を詳しくは知らぬままに、上部機関からのお達しに従って
    自らも「平和憲法」 を誇りに思うしかない状況にあったのか? 当時の先生たちでご存命の方に、
    その辺りの事情を伺うことができれば ・・・ と思ったりもするのでした。

    第9条を私たちは「世界に誇る」 のか、それとも「とぼとぼ歩いてゆく」 姿だと認識するのか?
    こういう問題意識を持たせてくれたことを考えるにつけ、今回の新聞記事・特集は有益なものだったと
    評価したくなった私なのでした。

    ところで、世界中の人々の中で、日本がこういう憲法を持っていることを知っている人は、どれくらい
    いるのでしょうか? 世界の若者に人気だという「日本のアニメ」よりも、平和憲法の方がずっとよく
    知られていると果たして言えるのでしょうか?






 断捨離 : 懐かしい本 のケース C




   ● 声楽ミニスコア 「ドイツ名歌曲全集」 からの6冊

     ドイツ歌曲の次の6冊が手元にあります。
     レコードを聴きながら、楽譜を追うという習慣も、すっかりなくなった今、これらを手元に残す理由も     
     なくなってしまいました。

     ・ シューベルト歌曲集 第1巻  美しき水車小屋の娘
     ・ シューベルト歌曲集 第2巻  冬の旅
     ・ マーラー歌曲集 第1巻  「若き日の歌」 「さすらう若人の歌」
 「リュッケルトによる5つの歌」 「なき子をしのぶ歌」
     ・ マーラー歌曲集 第2巻  「子どものふしぎな角笛」より
     ・ シューマン歌曲集 第2巻  詩人の恋、 歌曲集 作品27
     ・ シューマン歌曲集 第4巻  女の愛と生涯 作品42、 ケルナーの12の詩 作品35
 


     保存状態は良い方だと思います。 ご希望の方はメールでご連絡ください。

jijimaia@gmail.com

     6冊まとめて、差し上げます。 よろしくお願いいたします。
     

声楽教室でご一緒している方から、引き取りたいとのお申し出がありました。
その方はもともとドイツ・リートに関心があって歌を始めた由。 一件落着です。




たぶん
最後の
バス
ツアー  
  ここ数年控えていたバス旅行ですが、
  鳥取砂丘の傍の『砂の美術館』 の評判に
  惹かれて行ってきました。

  ちょうど『ドイツ編』 という新企画がスタート
  したばかり。
  砂の塊を彫った20体でドイツの歴史や文化を
  表現するという奇抜なアイディアが何とも
  魅力たっぷりです。

  そういえば、スタバがない唯一の県 鳥取に
  ついに 5/23 出店のニュースも・・・
  



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