最近の新聞記事に思う : 自殺、GID
最近の新聞記事で気になった2つのことがあります。
自殺について
キリスト教では、自殺は神に対する大きな背信・罪とされています。
「公教要理」では、次のように教えています。
259 神は第5戒を以って何を禁じ給うのでありますか。
神は第5戒を以って、他人及び自分の肉親と霊魂とを損なうことを禁じ給うのであります。
262 自分の肉身を害なうとは、どのようなことでありますか。
自分の肉身を害うとは、自殺は勿論、みだりに身体を傷つけ、不摂生をし、或いは
理由なく危険に臨むことであります。
自殺がどういう立場からであっても「是認」されるものであるとはいえないという点では、どなた
にも異存のないところだと思います。
問題は、「自殺者の葬儀は教会では行わない」とか「自殺者を教会墓地には埋葬させない」と
いった残された家族などへの対応の姿勢についてです。
キリスト教の上記のような姿勢は、明らかに残された人々への思いやりに欠けたものといわざるを
得ません。
日本では、平成10年以降、年間3万人を超える自殺者がいると警察庁の資料にもあります。
仏教の僧侶の人たちが、民間のNPOとも手をつなぎ、自殺願望者への対応や残された家族へのケアに取り組んでいる
報道を見るにつけ、キリスト教(教会)の対応のなさはさびしい限りだと思うのは、私一人でしょうか?
もちろん神父や信徒の中に、遺族へのケアの活動に参加している人たちがいることは確かですが、教義の面からいって
教会としてこの問題に立ち向かう新しい姿勢が打ち出せるのかどうか? イエス様のまなざしという視点から再考すべき
ではないかと痛感しています。
GID のことなど
埼玉県の小学校で、男子生徒として通学していた学童が、女子生徒として通学するように
なったという記事が報道され、GID (Gender Identity Disorder : 性同一性障害) のことが
世間に少しは認識され始めていることを喜ばしく思います。
神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。
キリスト教が性の問題で「神は男と女とを創造された」という旧約聖書のことばを根拠に、
「性の区別」について医学的な知識を省みることなく、当事者(人数からいえばマイノリティ)の
立場に理解を示すことのない現状を憂い、私はこれまでにも発言をしてきました。
パウロさんへの手紙: 性の異常について
マイノリティについて
現代の医学の視点から見て、過去の宗教的書物の記述に縛られた思考を続けることが
本当に「神様のご意向」に沿うものであるかどうかを、真摯に反省すべきだと思います。
ここでは、私なりに調べてみた「性別などに関する情報」を再度提供したいと思います。
私たちは、ゲイについて何を知っているか?
2010/2/17