☆ 7月第2週 ☆    2015/07/02 〜 07/08


 究極?の 『 終末事前準備システム 』 私案 


私は、7年前に亡くなった弟の「公正証書遺言書」の遺言執行者として、
およそ9カ月間、その職務に従事した経験を持っています。
大げさに言えば、その間、これにかかりきりだったのでした。

ひとりの人の死の後始末をするということが、どんなに大変なものかを
身をもって体験したのです。 弟は幸か不幸か不動産を所持していなかったので、
その部分の苦労はなかったのですが、それでも、もろもろの手続きには大変な労力と、
関係窓口での調整などで、二度とはやりたくない気遣いを要したのでした。

私の場合、弟よりも13歳年上で、すでに現役を退いていた時期でしたので、
時間だけは自由に使える状況にありました。 しかし、一般的には高齢者の
死亡後の後始末をするのは配偶者ないし子どもたちですから、前者であれば、
公的手続きに関しては、あまりなじみのないケースが多く、難儀するであろうことは
想像に難くありません。 後者の場合は、まだまだ働き盛りで時間的な余裕が
あまりないケースも想定されます。 いずれにしても、『私の死後の諸手続き』には、
何だかだと面倒くささが伴うことは避けられないことでしょう。

ここで描いているシステムはあくまでも「願望」です。 私の生存中に実現するとは
露ほども思ってはいませんが、まじめに自分の最期とその後始末を考えるとき、
こういう社会的仕組みが実現するなら、女房・子どもに余計な手間暇をかけることなく、
この世におさらばできるのになぁ ・・・ という私の叶わぬ、しかしこころからの願望
であることには、間違いないところなのです。 アホな提案だという前提でご覧ください。



   ● 死亡予定日の登録申請

     ある年齢、たとえば日本人の平均寿命(現時点なら男 80.21歳、女 86.61歳)に達した高齢者を対象に
     死亡予定日の登録申請を認めるという制度を定めておきます。
     もちろん、それが本人の自由な意思表示であるかどうかの確認を、複数の医者や弁護士などしかるべき
     資格の人による 《確認・証言》 を付しての届け出とします。

     届を受理した公的機関は、申請書の内容を審査し、合法的な内容であると認めれば、本人に対して、
     登録申請受理証明書を発行するとともに、その情報を関係する公的機関や民間の企業・団体が閲覧
     できるよう準備します。 ネットでの制限付き閲覧といったイメージです。


   ● 医療機関への登録申請

     いわゆる「安楽死」のための設備をもつ医療機関に、「登録申請受理証明書」を提出し、死亡実施日の
     予約登録を行い、その結果は、前項の公的機関に通知されることになります。 これにより死亡予定日が    
     確定します。 予定日までの期間は3〜6ヶ月程度を想定すればよいかと思います。


   ● 相続に伴う諸手続きの事前申請

     不動産・動産の配偶者および子どもなどへの相続について、事前に相続手続き(名義変更など)の
     申請(予定登録)を済ませておくことができるようにします。 これにより、後述の「死亡証明情報」
     が到着し次第、予定登録の内容が自動的に執行・実現することになります。

     電気・ガス・電話料金などの銀行口座からの自動引き落としに関して、引き落とし口座を配偶者や
     子ども名義の口座に事前に変更しておけるルールにします。

     過年度の所得に基づく、健康保険料などの租税公課の支払いに関して、一括支払い・相続人口座から
     の引き落としなど、適宜の方法への変更登録を済ませておけるようにします。

     私のケースであれば、妻への「遺族年金支給申請」手続きなども事前に済ませておけるようにします。
     生命保険などの死亡見舞金の請求申請も、同様に事前に自分でできるようなルールにしておきます。
     登録していた機関には、後述の「死亡証明情報」が自動的に配布され、遺族による特段の手続きなしに
     事前に行っておいた各種の申請が、実際に処理されるようになります。


   ● その他の事前手配など

     葬儀に関する予約も、事前に自分で行い、遺影の撮影・葬儀の内容など当事者の希望をきちんと
     関係者・団体などに通知しておきます。

     埋葬場所の指定あるいは準備をあらかじめ関係者にしっかりと伝えておきます。

     自分の持ち物の処分として、遺品分け、廃棄物の処分、とりわけパソコンなど他人の手に委ねがたい
     作業を死亡予定日に合わせて、しっかりと済ませておきます。

          6/17 のNHKテレビで、「パソコン ”死に支度” 丸裸!? 故人の秘密」といった
          テーマが取り上げていましたが、そういうこともすべて自分の手で、済ませておきます。


   ● 死亡登録日 当日の手順など

     さて、当日が到来します。 身近な親戚・友人などを招き、昼食会なり、夕食会を催しましょう。

     出席者に、こころからのお礼を申し上げ、文字通りの『最後の食事』を共にさせていただきます。
     このシステムの最大のクライマックス場面です。 こんな素敵な食事会、他にあるでしょうか?

     終われば、予約していた医療機関に出頭(?)します。
     あらかじめリクエストしておいた『映像と音楽』を、専用の『病室?』で鑑賞する手配ができています。
     何度か紹介した映画:ソイレント・グリーンの世界です。 何と美しく喜ばしい時間であることか!!

          まだ決めかねているのですが、多分、ブラームスのシンフォニーの緩徐楽章を
            選ぶことになるような気がします。


     医者は、本人の意向を最終確認し、静脈注射なりで死亡にいたる薬物を投与します。
     それが利き始めると、本人は眠るように意識をなくしていき、やがて息を引き取ります。



   その後の段取りは、一般的な病院での死亡の場合と同様です。

   家族は、すでに故人との「お別れ」をこころおきなく済ませていますので、
   病院での通常の死亡の場合よりも、はるかに冷静にその死を受け止め、
   遺体を迎え入れることができることと思います。

   また、医療機関から「死亡証明情報」がネットを介して関係機関に通知され、それぞれの機関の部署は
   すでに受理していた各種手続きなどの執行を開始することとなります。
   こうして、遺族は死亡後のもろもろの手続きの煩雑さから(多分大幅に)解放されるのです。



これが、私の描く 『究極の終末事前準備システム』 構想の概要です。

道徳的にどうか、宗教的観点からどうかなど、いろいろな意見があるでしょうが、
現にしかるべき年齢に達し、精神的にもまずまずの状態の当事者が、こういう幕引きの
仕方があればいいな! と考えていることを、ぜひ、若い世代の方にも知っていただき、
応援していただきたいと願って、ラフなデッサンですが私案を提示させていただいた次第です。

もちろん『長生きこそが最高の価値』 ・・・ という意見の方には無縁のものです。
その方はそれでいいのです。 しかし、ある年齢になれば、もやは自分の幕引き(時期)は
自分で決め ・ 準備しておきたいと願う輩も現実にいる訳ですので、ぜひこのような
望みにも目を向けて欲しいと願ってのことです。

もちろん、本人の希望があくまでも前提です。 意思表示できないケースで、周囲が
この制度を悪用するなどの不正運用が起こらないようしっかりとした歯止めが必要です。
問題は多く、検討に時間がかかることは承知の上で、それでもなお、私はやはり、
こうしたシステムが実現することをこころから願っているのです。

どうぞ、十分な歳月を生きた老人の願いをお聞き届けくださるよう、お願いいたします。





今週のひと休み     ・ 3年前から通っている声楽教室、講師の高木先生が体調不良で
   4月から休講となっているのですが、まだ再開の見通しが立たず、
   いったん閉講という通知が事務局からありました。
   秋には、お元気になって再開されることをこころ待ちにしています。

  ・ Windows 8 になってからのゲーム 「フリーセル」 が、10,000回に
   達しました。 勝ゲームは 9,912 で まずまず の戦績。
   ところが、10,150 ゲーム目で 3時間38分かけても解けない問題に
   遭遇して沈没。   No.7847177  しばらく小休止です。
   ただこの難問でも途中いらいらするなどの精神的トラブルはなく、
   冷静に取り組めたのは大きな 《成果》 でした。




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