☆ 1月第3週 ☆    2015/01/15 〜 01/21


 不思議な出会い 

永く生きていて気づいたことのひとつに、人との出会いの不思議さがありました。
そこには、2つのタイプがあるようです。

一つは「永〜い」おつきあいをいただいている人々。
もう一つは、出会ったのはただの一回限りですが、いつまでも思い出に残っている
不思議な人々。

日常生活では、第一のタイプの人々こそが大切なのですが、人間とは不思議なもので、
第二のタイプの人々は、その後の人生に特別な影響とかを残してはいないにも関わらず、
なぜか懐かしさを覚える ・・・ という、よく分からない感情を生み出しています。



   ●静岡県の Sさん

    手許に、一枚のはがきが残っています。

   どうも貴重な情報を有難うございました。
   1960年に日本でも上演されていたのですね。 1967年生まれの僕にとって
   とても興味深いです。

   私事で恐縮ですが、僕は高校を卒業したら大学で民族音楽を研究してみたいと
   思っている一高校生です。
   手当たりしだい聞いていたところ、この「石の花」にひかれました。
   5年前のある日、この曲に出会い、最初に受けた感動は今も変わっていません。    
   是非、パンフレットをお貸しください。丁寧に扱わせて頂きます。
   楽しみに待っています。

    この少年が、雑誌『音楽の友』の読者欄に投稿した、プロコフィエフ作曲「石の花」
    関する感想文に対し、私が、そのバレー公演を見たこと・公演プログラムを差し上げても
    よい旨の返信をしたことから、上記のようなはがきを受け取ったのでした。

    バレー『石の花』は、たしかに日本ではほとんど知られていなかった曲でした。
    1960年のレニングラード・バレー団の日本公演で、6月20日に東京宝塚劇場で鑑賞したの
    でした。 当時の日記に次のように記してあります。

        バレーのナマは初めてだ。 第1幕は退屈で仕方なかった。 音楽は別に新しくも
        ない。 それにも増して踊りが古典的過ぎる。 20世紀の作品としての意義が
        見いだせない。
        しかし第2幕のラストは dramatic で感動を呼ぶ。 やたらにアクロバット的な
        ところもあるが、芸術性に溢れるからこそ、感動を呼び起こすのだろう。
        第2幕ではギター弾きがソヴィエト・ロカビリーを見せ、面白い。 男性の踊りが
        持つ躍動感が魅力的だ。

    実はこの公演、本当は『白鳥の湖』を見たかったのですが、安い席が売り切れで、やむなく
    この公演を選んだのでした。
    その日のプログラムパンフレットと写真集を、この少年に差し上げました。 その方が
    ずっと意味があるだろうと思ったからです。

    その少年が、希望通りに「民族音楽」研究の道に進んだかどうかは不明です。
    ネットでお名前・民族音楽などをキーワードに検索しましたが、ヒットするものは見つかり
    ませんでした。 どういうお仕事をなさることになったのかも分かりませんが、青春の一時を、
    こういう夢に託した少年がいたことは、私にとっても何か懐かしい記憶として残ったのでした。     








阪神・淡路大震災から20年

あの日、わが家(マンション)はひどい揺れに室内は手の付けられない状態になった
ものの、幸い、夫婦共に怪我はなく日の出を待ちました。 1kmほど離れた娘夫婦の
ところに様子を見に行く途中、外壁の剥がれ落ちたビルや、液状化現象で噴出した水で
吹っ飛んだマンホールの蓋を見るにつけ、この地震の激しさを身に沁みて感じました。

0歳児を抱える娘一家も、怪我はなく一安心。 テレビで阪神高速道路の横倒しの映像を
見て、はじめて震源地がすぐ近くであったことを知ったのでした。

わが家の方角に火の手の上がっているのを発見し、あわてて自宅に戻りました。
すぐ近くの民家の火災でしたが、類焼がなかったのは不幸中の幸い。

電気はその日の中に回復したものの、水道は29日に回復するまで、近くの公園に
水汲みに行くのが日課でした。 ガスは2月13日の回復でした。





  雑誌『大法輪』 1995年4月号より

  唯真法界 生死に待ったなし  駒澤探道 (写真家・建長寺徒弟) :  一部抜粋    


  1月27日(金) 晴れ時々曇り。午後いちじ小雪舞う。風強し。
  阪神大震災救援のため、二度目の托鉢。地元横須賀別地区を歩く。

  この日の托鉢金4万3千4百35円。深謝、合掌。

  私の知人も神戸に数人いて、その安否が気づかわれた。様子をみては公衆電話に
  幾度か走った。運よく繋がった電話先から無事の確認はとれたものの、「屋根は
  なんとかありますから・・・」「家の中のものが倒れ手のつけようがありません」。
  沈痛の中からやっと話すことの出来る安心からか、中々電話を切ろうとされない方。
  だが混乱の最中、心を残しながら確認のみをして切らざるをえなかった。
  ただ「頑張って下さい」と言うありきたりの虚しい言葉だけを残して・・・。
  二月に入って一枚の葉書が届いた。西宮で被災された友人からだった。ご家族全員
  無事を知り安心。更に心打たれたことは、
  「家内は近隣の避難した方々を訪ねたりしています。私は大阪ボランティア協会と
  YWCAの救援業務のパソコンによる処理の手伝いをしています」の文。
  敬虔なクリスチャンでもあるH夫妻に、只々、頭の下がる思いだった。


駒澤さんと私とは、多分3回くらいしか会っていないと思います。 本社広報部時代に2 or 3度、
退職後、大阪での駒澤さんの写真の個展で1度。
しかしお互いに何か共鳴するところがあったのだと思います。
不思議なご縁・出会いが持てた方です。



今週の お勧め    テレビの野球中継で、すっかりお馴染になっている『マエケン体操』。
   肩甲骨まわりのストレッチに最適です。 実はこれ、発声の準備運動と
   しても大変よい。


   あと、四股をふむ態勢から、左右の肩をゆっくりと交互に前に出して
   体を捩じる体操をしていますが、これも体幹鍛錬によさそうです。



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