☆ 7月第2週 ☆    2014/7/3 〜 7/9


再会 そして 出会い

  7月4日、私は大阪近辺に住む二人の旧友と本当に久しぶりの顔合わせをしたのでした。
  また、その二日後に、30歳代の若者との初対面という奇妙な機会を持つことになりました。

  <断捨離>という視点から言えば、旧友とは、これからはそうそう数多く会うこともなかろうと想定され
  ますので、これが最後になったとしても、まぁ、今日の再会ができて良かった・・・という雰囲気。

  一方、面識のない若者との出会いは、<断捨離>の視点からは今更持つべきではないのかも?と
  思いつつも、<目の前のひとりと本気でかかわる>という私なりの信念として、やはり避けるわけ
  にはいかない・・・ という思いのゆえに踏み出したものでした。


  定時制高校の同級生

   1950年代、私の周囲の高校進学率は 50% 程度で、中卒で就職することは珍しいことではありませんでした。    
   それだけに、働きながら定時制高校に通うことも、ごく普通のことだったのです。

   

   私が中卒後、2年経って、定時制高校に入学したときの記念写真です。 これだけの数の生徒が入学して
   高校生活はそれなりの活気があったものです。 この母校も、2年程前に生徒数減少で廃止になったの
   ですが、時代の流れとしてやむを得ないことでしょう。

       坂本九ちゃんの「見上げてごらん夜の星を」は、定時制高校を舞台にしたもので、私(たち)には
       特別な思い入れのある曲です。

   この写真の中に、現在、大阪近辺に在住する 3名がいます。 私が声をかけて10年ぶりくらいの再会を
   したのです。 S君は、当時、別府市内の病院で働いており、T君は、竹細工の土産店に住み込みで
   働いていました。 T君のところには(別府では珍しくはない)家庭内の温泉があり、一緒に宿題などした後
   その温泉に皆で入っていたのでした。 S君の勤務する病院には、閑静な林の中に別荘があり、
   同級生たちが、たまにはLPレコード・LPプレーヤーを持ち込んで、夜遅くまでクラシックのレコード鑑賞を
   楽しむといった懐かしい思い出があります。

   T君は、2年生になった時、家庭の事情で大阪に転居。 大阪で、洋服の仕立て職人としての道に入り
   ずっとその仕事をやり遂げたという職人肌。  趣味では、トライアスロン競技で、全国各地の大会に
   参加。 今でも年に2回程度、フルマラソンに参加するという、なかなかのがんばり屋さんです。

   一方の S君は、定時制卒業後、大阪の会社に就職。  同じ病院に勤務していた女性もその後を追い
   家庭を持ったというエピソードの持ち主。  20年程勤めた後、造園業を知人と始め、78歳の現在も、
   社長業を続けているという結構 型破りなタイプです。

   40年間、大企業勤務をした私・・・とで、まったくタイプの異なる道を歩んだ3人ですが、いや異なる道を
   歩んだからこそ、たまに顔を合わせても仕事の話は脇に置き、あの頃、普及しはじめた蛍光灯の下で机を
   並べていた当時を肴に、気持ちを60年前に戻すことができるのでした。 当時は、もちろん酒を飲む年齢
   でもなく、夏などは、授業が終わると自転車の三人乗りをして、学校からまっしぐらに餅ヶ浜海岸まで駆け
   下り、素っ裸で夜の海でふざけたり・・・といった思い出が甦ります。

   当時、よく聴いた音楽は 「ハッシャバイ」 や 「バイヤコンディオス」 などの洋楽系。 私の音楽作品の
   間奏としてこれらを利用したのは、そういう若い時期の思いが重なっているからでした。

             Langour of Youth へのリンク   音声ファイルの末尾に収録

   貧しいけれど、とにかく向上心を掻き立てていたという共通点が、60年経った今も、3人の絆になっており、
   残り少なくなった時間を大切に生きようという気持ちを再確認した嬉しい再会でした。


  ワーキング・プアの若者

   貧しいけれど、上を目指すことのできた私(たち)の青春にくらべ、今の若者たちはどうなんだろう?
   そういう話の出た再会の二日後、30歳代の若者と初めて会うことになりました。

   彼がネット上に書き込んだ「子供の時は勉強が大嫌いで遊びまくっていました。 現在は、時間がある
   ので、一からやりなおしたいです。 勉強教えてくださる方に出会いたいです」 という文面を読み、メール
   でコンタクトをとったところ、「漢検4級 数検6級を目指して今 時間のとれる限り勉強しています。
   仕事は派遣やバイトをやっていますが、非正規なので年収200万ぐらいです。 国語や数学の勉強をしっ
   かりとして職業訓練校を受験し、正規の仕事に付きたいからです」 とのこと。

   高校であれ、大学であれ、現代の若者はきわめて高比率で進学ができています。 私(たち)の時代とは
   大違いです。 それ自体は結構なこと。 では、高校で、大学でどれだけの勉強をしているのか?
   という点を考えれば、もろ手を挙げて万々歳・・・とは言い切れないのが現実のようです。

   

   一方、企業・国家などは、昔のように組織の中で人材を育成するというスタンスから、高学歴の若者を
   採用し、役に立つ人材ならそれでよし・ダメなら切り捨てて、代わりを探すという傾向に陥っているのでは
   ないか? 私には、そういう風に思えます。

   かつては企業や国家が、そこで必要とする人材を育成するという『社会的責任』を担うしかなかったの
   ですが、国民全体の教育レベルが向上した結果、若者の育成は『家庭が担う役割』となってしまった。
   企業や国家は、役に立つ人材を選別するだけでよい ・・・ 一見、合理的な仕組みになった?一方で、
   切り捨てられた若者は、派遣・非正規といった境遇に陥り、そこから容易には抜け出しがたい。
   私の出会った若者は、そうした一人なのです。

   進学が比較的容易になった一方で、真剣に考える力を身につける機会を活かしきれなかった若者が、
   結構たくさん出現している。 そういう 現代 を目の当たりにした思いがします。

       逆に、企業で仕事の仕方を身につけた一部の若者には、自分の能力を生かすために、独立とか、
       他社への転籍など、自分の道は自分で決めるという終身雇用とは真逆の選択も開け、ある意味
       自分の才能の開花のチャンスを広げているようです。

   いつ人生を終わっても不思議ではない私にとって、現代の持つこうした問題は、あまりにも手を出し難い
   事柄です。 現代の、国家・教育機関・企業が「国の力・産業の力」を高めるために本気で取り組むべき
   大きな課題です。

   しかし、目の前のワーキング・プアと呼ばれる若者の姿を前に、何かの関わりが持てないものか? という
   思いも抑えようがないのです。 これが本当に役にたつものかどうかは分かりませんが、まずは目の前の
   一人の若者の「数学」の勉強を手助けすることにしました。

   数学検定の最低のレベルから、少なくとも義務教育終了のレベルまで、確実にマスターしたいという
   この若者の目標達成に、付かず離れずに寄り添ってみようと思います。

   とにかく、私(たち)の青春と、現在のそれとはあまりにも違い過ぎています。 良し悪しの問題ではなく
   目の前の「時代が生み出した現実」に、こういう形で関わることに、違和感と、しかし関らずにはいられない
   お節介さとの狭間で、考えさせられている私です。






断捨離 : <脱>日帰りバスツアー のケース
 


日本酒講座と会席料理






  定年後、夫婦で旅行に出かけることが多くなっていましたが、この歳になると      
  それもだんだんと億劫になり、宿泊旅行が日帰り旅行になるなど、様変わり
  してきました。
  加えて、旅行会社のツアーもワンパターンというか、名の知れた場所、変わり
  映えのしない食事など、新鮮味に欠ける気がしてきたのです。
  そんな折、今年3月に参加したジパング倶楽部主催の「日本酒講座と会席」と
  いう現地集合型のイベントは、とても楽しめるものでした。

  神戸・灘の醸造元「福寿」の専門家による日本酒講座と4種の日本酒、+ 
  ホテルの会席料理を楽しむというイベントです。
  3日間の開催がすべて満席だったそうで、人気のほどが伺えます。
  もちろんペアでの参加が多かったのですが、男性だけの参加に加え、女性だけ
  での参加もあってなかなかの盛況ぶり。

  いただいた酒は、4種。 純米吟醸・無濾過純米酒・純米酒・大吟醸。
  純米吟醸は、京都大学の山中先生がノーベル賞を受賞された際の晩さん会
  でも提供されたといういわくつきのもの。 個人的には、4種のなかで一番
  お気に入りのタイプでした ・・・ とミーハーぶりを露呈。
  料理の量は小ぶりながら、日本酒との相性を工夫したものらしく、とても
  おいしくいただきました。

  女房は、相席した女性おふたりとも打ち解けて、結構お酒のお代りをする始末。
  バス旅行の場合よりも、打ち解けた雰囲気が会場にあふれ、蔵元の方との
  質問・回答など、普段のツアーとは一味ちがった、大満足のイベントでした。
  私も、なんだかだと正味3合くらいは<利き酒?>して、いい気分で過ごした
  昼のイベントでした。 次の企画が待ち遠しい!!



今週の お粗末    テレビで紹介され、世界中から笑いものにされた野々村県議。
   『縁もゆかりもない西宮市民』のひとりとして、まことに恥ずかしい限りです。
   西宮選挙区からは、最下位当選だったことを考えれば、もう定数を1減するしか
   ないでしょう。 東京都議会での女性蔑視発言など、議員先生と呼ばれる生き物の
   レベルの低さは、何とも嘆かわしい。 もっとも「選んだのは、あんたたちだろぅが」と
   切り返されるとグーの音もないのですが・・・・
   甲子園西宮戎の福男選びで知られた西宮市に、おかしなお粗末県議が加わった
   ことは、実に痛恨の極みです。
   せめてもの慰めは、このスクープが地元神戸新聞の 6/30 夕刊だったということで
   しょうか。 全国紙の阪神支局もしっかりせぇや! ちゃらちゃらした提灯持ち記事
   ばかりじゃあ、大新聞の看板が・・・ (。-_-。)



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