バチカンで開会中の「家族問題に関する世界代表司教会議」で・・・中間報告として・・・ 発表した。 会議では同性愛者や離婚した信徒へのカトリック教会の対応などが 話し合われている。 中間報告では同性愛者について「キリスト教徒社会に寄与し、 (優れた)特性を提供することができる」と評価。 その上で「私たちは彼らを受け入れ、 居場所を提供することが可能なのか。 家族や結婚に関する教義の点で妥協することなく、 迎え入れる能力があるのだろうか」と自問し、教会に態度の変更を促している。 また、カトリックの教義が男女による結婚を神聖視しているため、同性婚自体は認知 していないものの、同性愛者カップルの共同生活について「相互扶助がパートナーの 暮らしにとって、かけがえのない支えになっている場合もある」と好意的に分析している。 フランシスコ法王は・・・社会的弱者に対する教義の押し付けを戒めてきた。 「神を求める善意の同性愛者を裁くとしたら私は何者か。 彼らはのけ者にされずに、 社会に統合されなければならない」と述べ、同性愛者を社会が受け入れる必要性を強調 した。 一方、保守派カトリック団体は「キリスト教史上、最悪の文書の一つだ。会議を仕切って いる人々は世界のカトリック信徒の親たちを裏切った」と批判した。 会議は今後の議論を踏まえ、18日に最終総括文書を採択する。 ![]() |
◎シノドス最終報告書「教会の扉はいつも開いている」 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)で10月5日から非公開で行われ たシノドス(世界代表司教会議)第3回臨時総会「福音宣教の観点から見た家庭 の司牧的課題」は18日、参加者の発言などを総括した最終報告書をまとめた。 報告書の内容のうち、同性愛者の受け入れを巡る文言は修正を経ても合意に至ら ず、採択されなかった。 教皇は、「シノドスの参加者に、もし偽りの平静のために皆が同意し、活発な 議論がなかったとしたら、私は大いなる不安とさみしさを感じただろう」と語り、 報告書について同意を得られなかったものも含めて異例の公開を決めた。 報告書は、議決権を有する181人の司教のうち158人の賛成を得て採択さ れた。報告書は来年10月の会議に再度提示される。教皇は両会議での話し合い を踏まえたうえで、最終的な判断を示すと見られる。 今回のシノドスには、世界から191カ国の司教会議議長や専門家たちが集ま り、家庭に関連した様々なテーマ、離婚、再婚、避妊、純潔、同性婚などについ て協議した。 13日に発表された中間報告書は、民法上の結婚、離婚、再婚などさまざまな 問題について司教たちが討議したことを記録。結婚は男女間のものとする見方は 変えなかった。また「同性間の結び付きを、結婚と同列と考えることは出来ない」 としてはいたが、「同性愛の人々を歓迎する」という項目があった。 カトリックがこれまでタブー視してきた同性愛や離婚に肯定的な見解を表明、 同性愛者のキリスト教社会への貢献や、同性愛カップルの助け合いを認めるとの 文言が盛り込まれた中間報告書に、保守派が強く反発したため、18日に提出さ れた最終報告書ではこうした文言がすべて削除された。 最終報告書には、同性愛カップルに神が定めた結婚や家族と同じ結びつきを認 める根拠はないと明記され、「それでもなお、同性愛者については敬意と配慮を もって迎え入れなければならない」との一文だけが残されていた。しかしこの部 分さえ賛成118、反対62と、採択に必要とされる3分の2の支持を得られな かった。 最終報告書は中間報告書と同様、3部、62項にわたる協議事項をまとめたも の。各項目は電子投票システムによって賛否が問われ、いずれも過半数の賛成が あった。しかし、同性愛者への対応、離婚・再婚者の聖体拝領問題については、 3分の2以上の賛成を得られず、「関係者は次期シノドスまで共同の解決策を見 つけていこう」と呼びかけるに留まった。 教皇は、シノドス閉会にあたり、2週間にわたる協議で見られた参加者の熱意 と思いやりに言及すると共に失望、緊張、保守派とリベラル派の示した「誘惑」 についても触れた。 イエスの後に従い、娼婦や取税人と食事を共にすることを恐れないのが教会で あり、「教会の扉はいつも開いている」と述べた。シノドスの会場は教皇の演説 に大きな拍手で答えたという。 |