07.12

  ラジオを聞きながら、午前中を過ごす。
  午後も、モーツァルトの特集などを聴きながら眠ってしまう。
  高円寺教会の夕のミサ。 何しろ暑い。
  Wrote to 博、M5 さん。
  明日からの出張、あまり持っていくものもない。 湯河原行きの時と    
  比べて拍子抜けな感じ。 できたら南紀で泳ぎたい。
 
07.13

  夕方、通信局へ。 いきなり、ライン・プリンタのスピードについて
  質問される。
  皆さん、小局用電算機の延長線上で捉えている印象。
  会館で夕食、あとマージャン。 2チャン目に大敗を喫す。
  江川寮泊。 暑い。
  大阪はちょっと好きになれそうにない。

  通信局とは、民間会社風にいえば関西支社というところ。
  大阪の関係者には、まだ大局用電算機のことがよく知られておらず、
  小局用電算機のちょっとした改訂版という印象を持っていました。
  さっそくプリンタの印刷スピードのことが話題になりました。
  プリンタ速度そのものは、小局用と大差ないのですが、大局用の
  特徴である多重処理によって、5・6台のプリンタが同時動作でき
  るので、トータルな印刷能力は数倍になることを説明するのが
  私の役目だったということです。
  岸上室長が、私を大阪に行かせてほしいと本社に要請したのは
  まさにこういう「露払い」を期待してのことだったと思います。
  京都での一年間の生活体験のある私でしたが、大阪にはあまりいい
  印象を持てなかったのでした。
07.14

  料金局へ。 ここの局長も変わってる。
  東京との対抗意識は相当なものだ。
  監査課の係長2名の優秀なことには感心させられる。
  この人たちこそ、ぼくらの話相手であるべきなのだ。

  大阪人の、対東京意識の強さ・深さを痛感させられました。
  一方では、実務担当の若い係長たちの熱心さにも出会えました。
07.15

  午前中、料金局へ。 寒気がして、頭がほんやりしてくる。
  午後、通信局へ。 システム上の相違点を検討。
  こちらでの、機種変更忌避・現状維持の思想には、違和感を覚える。
  PCS の実績が、かえって進取の意欲を殺いでいるみたいだ。
  夜、部長との食事。 あと、T28 さんにミナミを案内して貰う。

  当時、全国には東京・名古屋・大阪に料金局があり、PCS による
  料金計算・請求書発行業務を集約実施していました。 東京と
  大阪は IBM 社の PCS で、互いに独自のシステムを構築していま
  した。 その違いを調査するのも、今回の目的のひとつでした。
  PCS での自負が、電算機の導入に対してある種の警戒心を抱かせた
  ということは、無理もないところだと思います。
  その点、私などは、手作業による料金作業から、いきなり電算機
  処理の世界に放り込まれましたので、否も応もなく新しいものを
  受け入れましたが、PCS に習熟している人たちにとっては、電算機
  の世界は、未知のうさんくさいものに見えるのもやむを得ない
  ところだったのです。
  T28 さんは、学園の先輩で、本社営業局から近畿の係長として
  当時、在勤していたのです。 ご厚意に甘えた私でした。
07.16

  武田薬品の NEAC 2206 を見学。 こちらの門川部長はなかなかの人
  らしい。
  昼食を、日電の方にご馳走になる。 しかし食欲を完全に失って
  しまっている。 熱っぽく、いよいよ調子を壊したらしい。
  少し腸を痛めているようでもある。
  午後、通信局へ。 6時まで意見交換。 あと N9 さんと飲む。

  当時、日本での電算機活用企業としては、日本鋼管や武田薬品など
  が有名でした。 日電の方で、大局用電算機と共通点の多い
  NEC 2206 を導入して間もない武田薬品の見学をセッティングして
  くれたのだと思います。
  また、武田薬品の門川機械計算部長は、日本オペレーションズ・
  リサーチ学会の関西支部でもご活躍中の方でした。
  N9 さんは、学園の同期生(技術系)。 私とは一年間寮生活で同室   
  でした。 当時、近畿通信局に勤務中でした。
07.17

  昨夜あたり、ずいぶん盗汗。 首筋が痛んで、俯けなかったのだが、
  少しよくなる。
  思い切って紀伊半島へ。 白浜はハワイのように(?)美しい。
  潮岬までの汽車には悩まされたが、いい宿がとれて疲れを癒す。

  大阪での仕事を終え、紀勢線で南下しました。
  串本駅前で、旅館の客引きの人と交渉し、宿を決めたのです。
  灯台の明かりが、ぐるぐると回って、一晩中部屋に差し込むという
  不思議な体験でした。 私は一旦眠りこめば、朝まで音にも光にも
  無頓着というタチなので、気にはならないのでした。
07.18
 
  勝浦近く、ずいぶんいい海がある。 こんなところで泳げたらと
  つくづく思う。
  那智のような山岳信仰の雰囲気は、ぼくの最も好むところだ。
  新宮から夜行の急行列車に乗る。 割に眠れる。


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