05.03

  暑くなる。 フルート、ビゼーを吹き始める。 これで Eb になじみ
  たい。 16分音符の連続になるとリズムやテンポが狂ってしまう。
  午睡、少々。 その間に、時計が止まったらしく、一時間遅れていて
  夕のミサに与れず。 部屋でロザリオを祈る。
  背中が痛む。

  フルートで演奏するビゼーの曲とは、「アルルの女」第2組曲の中の
  「メヌエット」のことだと思います。
05.04

  大阪に 大局用 CAMA 電算機を導入することになりそう。
  とすると、いよいよ多重処理が重要課題になり、面白くなるが、
  ぼくはいずれプログラミングからは外されそう。
  これは何とも心残り。 搬入まで見届けたい気持ちだ。
 
05.05

  相変わらず朝早く目覚める。 フルートを少し吹き、午後は休日出勤。
  アセンブリング計算をやる。 LMTのみ、うまくいく。 PTの分との
  接続でまずいところがある。
  また雨になる。 弟より手紙、ラジオをはじめて組み立てた由。
 
05.06

  昨夜は早く床に入り、ゆっくり休めた。 今朝はりんごをかじって出る。  
  体調を損なわないよう注意しよう。
  IBM 360 の説明会。 なかなか面白い computer みたいだ。
  CP-0200、LMT/PT をそれぞれ別に動かすといいみたい。
  7時半まで超勤。

  この当時、電算機は「技術用:二進数」と「事務用:十進数」とに
  区分されていました。
  IBM 社でいえば 7070系は事務用、7090/7040系は技術計算用といった
  具合です。
  IBM 360 は、それを統合した真の汎用電算機として大変驚きをもって
  迎えられたのです。
05.07

  まったく忙しい。 今日中に internal sort との接続を済ませるべく
  2時まで作業する。

  夕方、クリュイタンス指揮のパリ管弦楽団を聴く。
  すごい音だ。 弦は透明、そして木管を妨げず、管もまたよく鳴り、
  こんな淡白な、そして情熱もあるオケは聴いたことがない。
  本当によく鳴る。 全然はったりなしのところがいい。
  ヨーロッパのオケらしい良さを、すべて備えた感じ。
  これまでのオーケストラで一番よかった。

  通研で夕方まで仕事をし、上野でコンサートを聴き、寮に戻って
  深夜まで作業を続けたのでした。

  パリ管弦楽団演奏会 ラベル・フェスティバル
    指揮  アンドレ・クリュイタンス

    ラヴェル スペイン狂詩曲
    ラヴェル マ・メール・ロア
    ラヴェル ラ・ヴァルス
    ラヴェル クープランの墓
    ラヴェル 逝ける王女のためのパヴァーヌ
    ラヴェル ダフニスとクロエ 第2組曲

    座席:5F Rい列15番

  これまで聴いたベルリン・フィル('57)、ウィーン・フィル('59)
  (いずれもカラヤン指揮)よりも、私には好ましく思えたこの日の
  コンサートでした。
05.08

  本社へ。 電車は混むし、冷房も利かず全く暑い。
  午前中 A さんと打ち合わせ。
  午後、技術局より大阪搬入案の説明を受ける。 営業側としては、
  内部がもめてる以上、飛躍しすぎた論議という感じである。
  帰ってから、sorting 関係の整理を終える。
 
05.09

  午後、電算機が使えず、代わりにカラー・ネガから、モノクロの
  プリントをする。 独りでやるのは初めてだったが、うまくできる。
  DPE店で扱わない理由が分からない。

  パリ音楽院。 やはり初日の方がよかった。
  フランクはそれほど面白くなかった。
  「海」の第2曲あたりが最高の出来だ。
  「火の鳥」これもいい。 これとくらべれば、小沢は結局、オケの
  テクニシャンではあっても、音楽そのものを十分に表現しているとは
  言えない気がする。
  パリ管の音は、全く自然で、それでいて実によく鳴っていると思う。

  通研の写真用暗室を使って、写真のプリントをしていたようです。
  全く記憶していませんが・・・

  パリ音楽院管弦楽団 東京公演
    指揮  アンドレ・クリュイタンス

    ベルリオーズ  海賊 作品21
    フランク    交響曲 ニ短調
    ドビュッシー  海
    ストラヴィンスキー 火の鳥

    座席:5F Cい列11番

  ここの小沢評は、あくまでも当時の青年指揮者に対するものです。(^_^);  


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