12.01

  寒い朝だ。 高円寺教会でミサと聖体拝領。
  11時半、上野を発つ。 何とも退屈な列車の旅だ。
  米山さんと同室で、糸春寮泊。
  夜、編集用データの整理を少々。

  仙台電話局での小局用 CAMA システムのオペレータ訓練のため、
  日比谷の米山さんと出張することになったのでした。
12.02

  訓練の授業第一日。 一日中、電子計算機の基礎知識と、
  電算機として見た時のタイパ装置の特徴の説明に充てる。
  昼、通信局に挨拶に行く。
  夜、タイパ装置の「命令」の説明原稿を書き上げる。

 
12.03

  午前中、タイパプログラムの「命令:K と N」の説明。
  それと、事務処理要領の説明。
  午後、タイパ装置の操作実習。 今まで説明したことの復習。
  ところが、紙テープリーダ #2 が不調で、交互使用の演習ができない。
  今までに感じたこと。
   1)紙テープリーダ予備機の不備
   2)防塵服の着用基準がはっきりしない
  雨になる。

  タイパのマシン語の「命令オペレーションコード」は、4ビット。
  すなわち16種類しかありません。 もう忘れかけていますが、
  K は Loar to Accumulator, N は Store from Accumulator という   
  データ転送命令です。

  当時の電算機室への出入りでは、防塵服着用が必須でした。
12.04

  午前、「命令:2 と 4 」の説明など。
  午後、継続処理と磁気テープ処理終了の操作実習。
  昨日、不調だった紙テープリーダが回復する。
  今日も雨。

  今回の出張では、

   1)オペレータに対するタイパ操作説明
   2)同じく、タイパプログラムの「命令」の説明
   3)操作中に発生するトラブル情報の収集
   4)必要に応じてのタイパプログラムの修正

  といった作業を行ったのでした。
12.05

  やっと天気が回復。 昼休み、屋上へ。 風は強いが、展望がよい。
  午前中、2進数の加減算、HALT 命令などの説明をする。
  午後、HALT 命令を使ったプログラムをテストする紙テープデータを
  作成してテストして貰う。 思わぬ個所で HALT してしまう。
  メモリーダンプの説明をする。
  授業後、紙テープリーダ #3 の「はじめ検出」のプログラムを修正。
12.06

  朝、海が光って見える。 日曜日にでも、太平洋を見に行きたい。
  午前、EX-3 の説明を終える。 それから、分断処理の仕方。
  午後は、その実習。
  Switch 関連の命令は、いささか分かりづらい感じ。
  3時より、さん・検孔の新しいテスト用テープ8巻の読みとり。
  タイパ側の処理としては問題もなく O.K. となる。 嬉しいことだ。
  夜、会館で皆さんと会食、マージャン。
  寮に戻って、紙テープの事故トラブルについてのまとめをする。
   1)紙そのものの不良(油)
   2)TIE の前後誤り
   3)間隔もれ
   4)補正テープの作成漏れ
12.07

  午前中、Index の命令とループの手法について説明する。
  おおむね分かってもらえたと思う。
  午後、映画へ。
  「ヤブニラミ日本」と「江分利満氏の優雅な生活」。
  後者のテンポの小気味よさ。 ただし、ラスト近くの説教は
  いただけない。
  母親の死の場面は、時が時だけにやりきれなかった。
  小林桂樹って、実にうまい役者だと思う。
  帰り、聖堂で祈る。
  いろんなことを考えていると「どうしたらいいか、分からない」のだ。   
 


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