08.11

  高円寺教会で告解、聖体拝領。 あと青年の教理研究会:「ミサ聖祭」を
  テーマに、F3 神父の話。
    1.秘跡を物件的なものとしてではなく、むしろ神との出会い
      として捉えること。
    2.ミサにおいては、キリストを中心とする人類全体が神を
      志向する・・・という「人生の意義」のすべてが見出さ
      れること。
  午後、寮でフルートの練習など。
  夜、映画、カルメンの翻訳もの。 全く下らない。
  木下恵介の「死闘の伝説」、この状況設定は納得でいない。
  あまりに実行力のない都会人側に偏し過ぎている。 それにこの音楽は
  いただけない。 あまりに前に出過ぎている。

 
08.12

  小林調査役より、料金計算プログラムについて、前の A さんの資料に
  肉付けしてくれとのこと。 いろいろ考えてみるが、料金計算だからと
  いう特殊性は大してありはしないのだ。 A5 さん、O5 さんの意見も
  参考にして、他の事務計算との違いをピックアップする。
    1.既存のサブ・システムの積み上げではないので、大規模な
      新規作成作業になること。
    2.入力データ量が多く、これがアウトプットまでついて回り、
      入出力装置の負荷が大きいこと。
    3.CAMA 情報の処理。 これは、あたかもタイム・レコーダーを
      電算機に直結させて、給与計算をするような類のもの。

  A さんが一週間の休暇をとっていたので、私が資料作成をしたのでした。  
08.13

  朝から本社へ。 昨日作成したレポートの報告と、今後の作業予定に
  ついて。
  昼休み、O 先生が来社したので、同期の連中とともに昼食会。
  帰りに、H2 、N7 、T18 君と新宿で飲む。

  新宿で飲んだのは、学園の同期の面々です。
08.14

  早朝教室、ゲームの理論( D さん)。 事柄をどの程度、数値で置き
  換えがきくかは疑問だが、とにかく min 利益の max をとるという
  考えは、gamble の理論として当を得ていて、面白いと思う。
  こうした本も読んでみたい。
  システム設計の作業、あまり進まない。
  夜、寮大会。
  Received from mom.  やっぱり床上浸水だった由。

  通研で、理系の話題を日常的に耳にしていく中で、少しずつ私の中に
  そういう考え方が馴染みになって行くのでした。

  自宅はやはり床上浸水したのでした。 これで2度目の水害被災です。
  前回は 1951年、この時も私は熊本の学園にいて直接の被災体験をして
  おりません。 何もできない自分を不甲斐なく思うのでした。
08.15

  被昇天の大祝日。 吉祥寺教会で夕のミサ。 告解、聖体拝領。
  終戦記念日。 政府のはじめての追悼式が行われる。
  少し胃がよくない。

  聖母が死後、肉体と共に天に上げられたことを記念するカトリックの
  祝日です。
  参考:全国戦没者追悼式
08.16

  一日中、ファイル設計。
  昼休みのブリッジ。 自分でやってる中に、少しは分かってくる。
  夜、フルートの練習。 Had call form T17 ちゃん。

 
08.17
 
  午後、映画「酒とバラの日々」。 ジャック・レモンの演技の巧さが
  全く絶品だ。
  「アシジのフランシスコ」、ラスト近く、ある種の感動は覚えるのだが、  
  何とも全体を通じてナマな感じで面白くない。 宗教映画というのは
  大体こうしたもんなんだ。
  それに比べて「ノートルダム・ド・パリ」。 これは映画として全くよく
  出来てる。 色彩も、カメラワークも実にいい。
  それに、アンソニー・クインって役者はうまいんだなぁ!
  ユーゴーという人は、こうした世界を実によく描いている。
  ここには飾りのない人間の姿があるし、愛に満ちている。
  Priest もよく描けてると思う。

  それにしても、この寂しさ。 ぼくは全く何事にも真剣になれやしない。
  一体この独身寮で、このまま歳をとっていいのか? いやだ!!
  フルートを少し練習する。

  仕事では忙しくしているのに、自分自身をもてあましている苛立ちが
  いつもこころを覆っていたのです。 青年特有の自然な欲求を持て余し
  ていたという感じの28歳の日々でした。


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