08.05

  ご来光。 全く自然の所業の美しさにうたれる。
  雲一つない快晴。 展望も申し分ない。
  それにしても剣はますますいい。 ぼくに描かれるのを拒んでいるかの
  よう・・・<もっと見てくれ! もっと見てくれ!>と。

  7時半、スケッチをすませて出発。
  小蓮華の尾根からの展望がまたすごい。
  五竜・鹿島槍、そして八方尾根がよく望まれる。
  ぼくは何度も立ち止まり、またスケッチせずにはいられなかった。
  白馬大池も美しい。 あの水の色。 明るい雰囲気。
  シナノギンバイをはじめとするお花畑と雪渓。 いい湖だ!
  しかしこの後がいけない。 時間も残り少なくなり、大急ぎで
  栂池へ向かう。
  途中の岩ばかりの道のイヤサ加減! つま先を少しいためる。 
  御殿場までの湿地帯では、ゆっくりワタスゲやアヤメの鑑賞ができない。  
  道を左にとる。
  白樺のある美しい−−鐘の鳴る丘−− これはすてきだ。
  流れで汗を流し、大池駅よりひとり列車に乗る。 全くいい山旅だった。
  山のよさと厳しさを、こんなにも体験できたこと。
  また体力の確認もでき、次の山行が楽しみになる。 Deo, Gratias !

  M2 君は、白馬から南へのルートを予定していたので、ここでお別れです。  
  私は逆に、北へのルートをとることにしていたのです。


  この時のスケッチを、スライドムービーにして YouTube にアップロード
  してあります。
  このページの最後に埋め込んで置きました。
  なお、ムービーの BGM はこの前年あたりに作曲した合唱曲を DTM 化した
  ものです。
08.06

  調子はきわめていい。
  明日からはコーディング作業だ。

08.07

  夜、K3 君来訪。
  駅前で少し飲み、あと部屋でプログラミングのことなどを話す。

  九州から出張してきた K3 君が、寮に訪ねてきてくれました。
  荻窪駅前で久しぶりの乾杯です。
08.08

  夜、映画「 King of kings 」を見る。
  芸術的にも、映画手法的にも、宗教的視点からも全然ダメな作品。
  ここには、キリストの人類への愛などミジンも発見できない。
  現代流にいえば「怒れる若者」でしかない。
 
08.09

  Error Table Routine のフローチャートとコーディングにかかる。
  一日中かかっても終わらない。 まだちょっと判然としない部分がある。
  明日考えることにしよう。
  Wrote to 西君・S2 君。 「白馬山行記」、レポート用紙に7枚。
  少し疲れる。 早く休もう。

  西君と S2 君は、九州での前の職場の後輩です。
  近くの山に、よく一緒に登っていました。
  二人に、北アルプスの印象を伝えたかったのです。
  西君は、若くして亡くなりました。 とてもいい青年でした。 合掌。
08.10

  午後、本社へ。 終わって係長のおごりでビールを飲む。
  少し銀座を歩いてみるも、プレイ・ガイドはすでに閉まっている。
  寮に戻ると、富士通の M2 君から FACOM 222 のリファレンス・マニュ
  アルが届いている。 ありがとう。

  白馬の山小屋で一緒になった M2 君が、お願いしていた冊子を送って
  くれていました。 有り難いことです。
  その冊子では、16進数の表示が s,t,u,v,w,x だったと記憶します。
  ちなみに通研のタイパ装置では、k,s,n,j,f,l で表示していました。
  これはイリノイ大学の ILLIAC の流れを汲むものだったと聞いています。
08.11

  S3 君から手紙。 「母親の死、K4 さんの妊娠と子どもへの夢」など。
  人間の生命の営みが、こうして流れていく様が、ぼくを感動させ、
  混乱させる。
  ぼくは今、自分の生ぬるい生活に終止符を打つ時期に来ていると感じて
  いるが、どんな風に生きたらいいのか分からないのだ。
  結婚し、子供をもち、人生の主人公になるのか、傍観者として孤高な
  立場を求めるのか?

  夜、山と旅の映画会へ。
  「瀬戸内海」:別府の山、由布岳も出てきて懐かしい。
  「立山の詩」:串田さんと息子さんらしい二人の山行。
         こんなすばらしい山行の伴侶がいたら・・・
         もっと早く、結婚し・子どもを持つことができていたら、
         どんなによかったろうか!  
         でもそれはぼくにはできなかったのだ。
  「白馬八月」:つい先週のあのコース。 なつかしい。
         でもフィルムに入りきれるものではない。
  「北海道の秋」:懐かしいが、編集は通り一遍な作品。

  ぼくは何かを必要としている。

  S3 君と K4 さんご夫妻は、別府で親しくしていた友人で、大阪に駆け
  落ち同然に出て行っていたのでした。  会う機会は少ないのですが、
  今でも親しくしてもらっているお二人です。




  「串田さん」とは、串田孫一先生のことです。
  この年の春、上京の際に西君と S2 君が餞別として持たせてくれたのが
  先生の編纂なさった「高原」という山の本でした。

           

  また、6月に出演なさったラジオ放送を聞き、はがきで問い合わせをした
  私に、丁寧に返信をして下さるなど、とても親しみを覚える方でした。



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