07.01

  朝のうち雨。 ゆっくりと寝坊する。 参院選投票日。
  午後、映画「スージー・ウォンの世界」と「さよならをもう一度」。
  だんぜん前者の方がすぐれている。
  夕のミサ(吉祥寺教会)。
  明日から、通研での生活・プログラマーとしての勉強がはじまる。

  当時、東京・日比谷の NTT本社に勤務していた私は、あるプロジェクトに
  参加するため、武蔵野市の通研(電気通信研究所)に長期派遣されることに  
  なりました。
  どんな生活が待っているかの不安を抱くこともなく、のんきに2本立ての
  映画を見ていた私でした。
07.02

  通研へ初出勤。 タイパの命令についての資料を読む。 
  事前に読んでいた「タイパ・プログラム作成法」と同様分かりにくい。
  とにかくこの仕事、難しい。 でもやり甲斐はありそう。
  これに打ち込んで悔いはないと思う。 このチャンスを大事にしよう。
  帰り A さんと二人で記念に一杯やる。

  タイパ と呼ばれる機器は、Stored Program で制御するコンピュータです。
  開発目的が「紙テープ」を読み込んで「磁気テープ」に書き出すことから
  このような名称で呼ばれていました。
  プログラムはマシン語で記述し、OperationCode部 4ビット・IndexModify
  Code部 4ビット・Address部 12ビットの構成。 メモリーの総容量が 544
  ワード(40ビット/ワード)という、現代では考えられないほど小規模な
  ものでした。 
  それまでずっと事務系の仕事に携わってきた私にとっては、この手の資料を
  読むことは困惑の連続でした。
  とにかくやるしかない・・・という新生活のスタートです。
  ちなみに、A さんは前年から通研に派遣されている先輩で、今にいたるまで
  「戦友」としておつき合いいただいています。
07.03

  「タイパの入出力装置」資料を読む。 難しい。
  参院選、自民伸び、社会変わらず、民社落ち、公明増伸。
  予想通りの結果。


  参考:<ウィキペディア>:第6回参議院議員通常選挙
     
07.04

  昨夜、Scattering Read のプログラムを考えていて、1時までかかる。
  とにかくてんで難しい。 しかしやっと分かって嬉しい。
  おかげで、今日は睡眠不足と神経の使い過ぎで、胃の調子が悪い。
  一日中、「タイパ・プログラム」を読む。 少しずついろいろなことが
  分かってくる。

  夜、上野でメシアンの演奏会。 とにかく大変な曲だ。 面白くはないが  
  立派なものだと思う。 最後まで感動を持ち続けて聴けた。
  Y楽章は全く美しい。 U、W、Xそれに[、]も響きが充実していて
  現代音楽には珍しい充実感がある。 しかし難しい曲ではある。
  小澤さん、いよいよ良さが出てきてる。 感激の言葉をステージから
  述べる。
  義宮様が、3つ前の席でご鑑賞。

  Scattering Read のプログラム・ロジックが理解できたことで、私のプロ
  グラマ生活はスタートした・・・と言ってよいだろうと思います。
  



  その夜、上野の文化会館大ホールで、小澤征爾指揮・NHK交響楽団による
  オリビエ・メシアン作曲「トゥーランガリラ交響曲」の日本初演の演奏会
  を聴きました。
  作曲者も会場に来ていて、記念すべき演奏会でした。
  この時点では、小澤さんとN響との関係はまだよかったようです。
  この日のプログラム(冊子)は、なぜか手元に残っておらず、残念。
07.05

  「タイパ・プログラム作成法」を読み返す。 おおむね全部理解できる
  ようになる。
  プログラミングは、深みに入るにつれ、難しくなるもののようだ。
  でも面白い。
 
07.06

  午前中、「タイパ命令」を読む。

  午後は連絡バスで本社へ。 米山さんに事務引継をする。
  仕事を終えて CAMA グループのパーティ。 愉快な会になる。

  毎週金曜日は、日比谷の本社でミーティングがあり、通研・本社間の連絡
  バスで日比谷に行くのが定例化していました。
  井の頭通りを経由するこのルートは、ある意味でほっとできる時間でした。

  米山さんは私の一年先輩です。 6月まで私が日比谷で担当していた業務を
  引継いでくれることになりました。 私を東京でのコンサート通いに誘って
  くれたのも米山さんで、2010年に亡くなられたことは残念でなりません。
07.07

  DMUを打ち出すプログラムを考えていて、昨夜は遅くまで床の中で目が
  さえる。 考えていると眠れないのだ。 SW命令の使い方がまだまだ・・
  どうもこの頃、胃を意識する。 職業病か?

  午後から夜にかけて、ラジオを聴きながらぼんやりと過ごす。
  少し疲れている。


  とにもかくにも、通研での一週間が過ぎました。
  予想以上のハードで困惑に満ちた一週間でしたが、これが私の一生を左右
  する大事な「方向を見定める」時期のスタートでした。


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