教皇フランシスコ 〜 懐の深さ


世界キリスト教情報 第1228信(1014/8/4)に、次のような記事がありました。


   【CJC=東京】教皇フランシスコは7月28日、イタリア南部カゼルタのペ      
   ンテコステ派教会を訪れた。26日午後に行われた最初のカゼルタ訪問は、現地
   のカトリック信者たちとの交流を目的とする司牧的なものであったが、その2日
   後の訪問は、私的なものとして行われた。

   教皇フランシスコがカゼルタへ、3日間に2回も訪問すると発表された時に、
   イタリアのメディアが疑問に思っても不思議はなかった。特に2回目は、教皇が
   ブエノスアイレス大司教時代からの「友人」としていたペンテコステ派のジョバ
   ンニ・トラエッティーノ牧師と会うためだ、とされても「なぜだ」との印象をぬ
   ぐいきれなかった。同牧師は教皇、当時の大司教と共にエキュメニカル運動に努
   めていたことが明らかにされても、雰囲気は変わらなかった。

   トラエッティーノ牧師は、カゼルタで『和解のペンテコステ教会』を設立して
   いる。個人的な会見と思われていたが、28日朝10時過ぎにヘリコプターでカ
   ゼルタに到着した教皇を出迎えたのは牧師一家だけでなく、イタリー始め米国や
   南米からやって来たペンテコステ派の信徒など約350人だった。
   教皇は『和解のペンテコステ教会』を訪問、講話を行った。教会には約200
   人の信者が集り、教皇の言葉に熱心に耳を傾けた。

   教皇は講話の中で、「聖霊がもたらすのは分裂ではない。聖霊がもたらすもの、
   それは多様性だ」と述べ、「聖霊は教会の中に豊かで素晴らしい多様性を生み出
   すだけでなく、一致をも生み出す」「聖霊の働きは多様なカリスマを創り、その
   カリスマを調和させること」と説いた。

   伊紙『ラスタンパ』によると、教皇が福音派の人間と会うとは、と驚きを隠さ
   ない人もいたが、教皇自身は「兄弟と会いに来たのだ」と当然の表情だった。
   講話で教皇は「『私は教会、君たちはセクト』と言いたい誘惑もある。しかし
   イエスは一致の為に祈った。聖霊は多様性を教会にもたらしたが、その聖霊が一
   致ももたらした。教会はその多様性の中の一つだ。聖霊によって導かれた多様性
   だ」と言う。

   そして、エキュメニズム(教会一致)とは、聖霊によってこの多様性がより調
   和し一致するよう努力しながら、神の現存のもとに歩んでいくこと、と教皇は語
   った。

   「わたしたちは兄弟たちと共にこの一致の歩みの中にある。教皇がプロテスタ      
   ントの教会に行ったと驚く人もいるかもしない。しかし教皇は兄弟たちに会いに
   来たのだ。実はブエノスアイレスにいた時、彼らが最初にわたしに会いに来てく
   れた。こうして始まった友情が、今日ここにあるのだ」と言う。・・・以下省略


これまでの歴代教皇とは大いに異なるフランシスコ教皇の動静に、今後も注目をしていきたい
と思います。
「信仰の多様性と調和・一致」という教皇の言葉は、新しい信仰の姿を示唆していると期待して
いる私でした。 神に感謝。

2014/8/5

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